アッカーマンシア・ムシニフィラとは
- 素材紹介 – 腸内細菌の一種「アッカーマンシア・ムシニフィラ (Akkermansia muciniphila)」は、健康なヒトの糞便から2004年に発見された偏性嫌気性のグラム陰性菌です。この菌は消化管の粘膜を覆うムチンを養分として生育し、自らムチンの産生を促すことで腸管バリアを強化する役割を持ちます。
- ヒト腸内での存在 – 成人の腸内細菌叢の1〜4 %を占めることが報告されており、生後1か月頃から検出されるなどライフステージを通じて重要な常在菌です。
- トレンド – 最近ヨーロッパでは低温殺菌したアッカーマンシア・ムシニフィラが新規食品として認可されるなど、機能性原料として世界的に注目されています。記憶プラスでは、この素材をサプリメント原料としてご提供します。
アッカーマンシア・ムシニフィラの働き
腸のバリア機能の強化
- ムチンを分解しつつ産生を促すため、腸の粘膜層を厚く保ち、腸管バリアの強化に関与します。
- 腸壁のバリア性が高まることで、炎症や毒素の侵入を防ぎ、免疫機能の維持に役立ちます。
代謝改善と肥満対策
- 肥満者は腸内のアッカーマンシアが少ないと報告され、カロリー制限時にこの菌が多い人ほどインスリン抵抗性の改善が顕著に表れるという研究があります。
- 32人を対象にした臨床試験では、100億個のアッカーマンシア・ムシニフィラを3か月間摂取したところ、低温殺菌した死菌群で総コレステロールや体重・脂肪量・ヒップ周囲の低下がプラセボ群よりも有意に認められました。
- 高脂肪食で肥満にしたマウスに死菌(AK47株)を4週間投与すると、血中トリグリセリドやLDLコレステロールが減少し、HDLコレステロールが増加したというデータもあります。
糖尿病・長寿との関連
- 116名の男性を1年間追跡した研究では、血糖コントロールが良好な群ほど腸内にアッカーマンシアが多く、2型糖尿病の予防に関与する可能性が示されました。
- 奄美群島の95歳以上の長寿者の腸内細菌叢では、ビフィドバクテリウム属やメタノブレビバクター属とともにアッカーマンシア属が高い占有率を示し、健康長寿との関連が示唆されています。
心血管と炎症への作用
- 試験管内の研究では、酸化LDLによる血管内皮細胞傷害モデルにおいて、アッカーマンシア死菌の投与により細胞膜の損傷指標である乳酸脱水素酵素(LDH)放出や活性酸素(ROS)が減少し、細胞を保護する効果が確認されています。
- 肥満マウスモデルでは、アッカーマンシア死菌投与によりIL‑1やIL‑6などの炎症性サイトカインが低下し、炎症抑制に寄与することが報告されています。
提供形態と利用提案
サプリメント製造への応用
- 単独素材として – 胞数が多く、粉末形状のため、錠剤・カプセル・スティックタイプなど幅広い剤形へ配合可能です。
- シンバイオティクス設計 – オリゴ糖や食物繊維、ムチン糖鎖などプレバイオティクス素材と組み合わせることで、本菌の増殖を促し相乗効果が期待できます。例えば、ガンギエイ由来ムチンのプレバイオティクスはアッカーマンシアの増殖を特異的に促すことが報告されています。
- 機能性表示食品への応用 – 肥満や高脂血症改善、腸内環境の改善を訴求する素材として、ヒト試験エビデンスを活用した機能性表示の検討も可能です。
食品・飲料への応用
- ペーストリゼーションにより熱安定性が高く、ハードカプセルや顆粒、発酵飲料の添加など加工温度の幅が広いのが特徴です。
- 飲料やヨーグルトに配合する際は、香味に影響しにくい淡黄色粉末の特性を活かせます。
まとめ
アッカーマンシア・ムシニフィラは、腸管バリアを補強し、代謝改善や炎症抑制など多くの健康作用が報告されている次世代プロバイオティクスです。記憶プラスが提供する原料は、高菌数かつ非遺伝子組換えで安全性と品質を確保し、サプリメントや機能性食品の開発に最適です。原料供給だけでなく、製品設計やエビデンスに基づくマーケティング支援も承ります。
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